三原舞依が新プログラムを初披露 セリーヌ・ディオンの名曲で表現する「強い自分」 (3ページ目)
●新プログラムで見据える世界
本来のスケートができなかった無念さで、彼女はひたすら身を焦がしていた。その悔しさが彼女を突き動かすのか。
「今シーズンは初めて(カナダの)ジェフリー・バトルさんに振り付けをしてもらっています。世界選手権がカナダのモントリオールで開催されるので、ショートはカナダ出身のセリーヌ・ディオンさんの曲(『To Love You More』)が、いろいろな思いを含めてピッタリだなって。すばらしい曲なので、一つひとつ心を込めて滑れるようにしたいです」
三原の世界選手権に対する気迫が、じわじわと伝わってくる。
「ドリーム・オン・アイス」で披露した新プログラム『To Love You More』は、ひとつの代名詞になった『戦場のメリークリスマス』に匹敵する完成図が見えつつある。細やかな感情表現が、スケーティングで映えるプログラムだろう。曲と一体化した滑りは、彼女の真骨頂だ。
「初めてのお披露目だったので、すごく緊張しましたが、楽しんで滑れてよかったです。間の作り方とか、一つひとつの動きを大事に。歌詞も強いところと柔らかいところがあるので、歌声に合わせてスケートで表現したいです」
三原はこう続ける。
「この曲の最大の盛り上がりポイントは、ステップシークエンスの最初のところで、バレエジャンプがあるんです。『Waiting for you』という『待っているよ』の強い思いが弾けるようにしたいですね!
ジェフリーさんが『舞依はバレエジャンプが好きだから』と急遽、取り入れてくれました。しっかり曲に合わせ、間の取り方も考えながら、滑れたらと思っています」
この日の演技でも、バレエジャンプのところで潮目が変わった。そこからは彼女の独壇場になっている。
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