三原舞依が新プログラムを初披露 セリーヌ・ディオンの名曲で表現する「強い自分」

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dreams on Ice 2023

6月30日、「ドリーム・オン・アイス」に出演した三原舞依6月30日、「ドリーム・オン・アイス」に出演した三原舞依この記事に関連する写真を見る

●可憐さのなかにある反骨

 6月30日、横浜。この日で、フィギュアスケート界はシーズンが切り替わる。7月1日からは新シーズンが幕を開ける。その点、3日間にわたって開催される「ドリーム・オン・アイス」は過去と未来を結ぶ「夢の宴」だった。

「ありがとうございました」

 公演後、メディアに対して行なわれた囲み取材、日本人女子のトリを務めた三原舞依(23歳/シスメックス)は、リポーターのねぎらいの言葉にまっすぐな声で返していた。会見に入る前、記者とリンクに一礼をする律義さが彼女らしかった。生き方そのものが演技に出るタイプで、その真摯さと渾身で強くなるというのか。

 凛とした人間性は変わらないが、小さな変化もあった。

「昨シーズンは、世界選手権ですごく悔しい思いをしたので。今シーズンは最初から最後までパーフェクトな演技ができるように、体調管理もしっかりしながら、一つひとつ頑張っていきたいです。グランプリ(GP)ファイナル連覇と世界選手権で表彰台に上がれるように」

 三原は可憐さのある声のなかに、反骨をにじませた。もっとも、強くなる欲求は備わっていたものだろう。それも彼女の正体の一部だ。

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