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友野一希が世界選手権で「史上最高の自分」 2本のジャンプ転倒も「毎年成長できている」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●会場を沸かせた気持ちの演技

 楽しさ半分、悔しさ半分だったSPを終え、「フリーはもっと調子がいいので切り替えて、自分のすべてを出せたらいいと思っています」と前を向いた友野。

 そのフリーは最終グループの6人を残した第3グループの最終滑走。上位選手たちに刺激を与える滑りを見せた。

 最初の4回転トーループ+2回転トーループは着実に決めた。しかし、SPでも「2本目のジャンプを失敗することが多いので......」と話していたように、次の4回転トーループは4分の1回転不足で転倒する悔しい結果になった。

 それでもSPで転倒した4回転サルコウを3.33点の加点をもらう出来で鮮やかに決めると、流れに乗った。3回転ループのあとのシットスピンとキャメルスピンは最高評価のレベル4。ステップシークエンスはレベル3ながらしなやかな滑りを見せた。

 次のトリプルアクセルからの3連続ジャンプは、最後の3回転サルコウが4分の1回転不足でわずかに減点されたが、流れを途絶えさせることなく、そのあとの3回転フリップ+ダブルアクセル、トリプルアクセルをしっかり決め、終盤の見せ場でもあるコレオシークエンスに移った。

「足は動いてなかったけど、気持ちだけは出しました」という滑りで観客席を一気に沸かせると、最後はコンビネーションスピンで締めくくった。

 フリーの得点は、これまでの自己最高を9点近く上回る180.73点。SPとの合計も前回大会を14点以上も上回る273.41点。

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