友野一希が世界選手権で「史上最高の自分」 2本のジャンプ転倒も「毎年成長できている」 (3ページ目)
●史上最高の仕上がり
そのハイスコアが、最終グループのジェイソン・ブラウン(アメリカ)やケビン・エイモズ(フランス)らのノーミスの演技を引き出し、280点台の熾烈な表彰台争いを演出したといってもいいだろう。
「2本目のジャンプはさすがに悔しかったし、言っていたとおりポイントになる2本目でしたね。でも、そのあとのサルコウは練習どおり。
今回は今までのなかでも史上最高の仕上がりだったので、もっと飛躍したいなと思っていたけど、またひとつ上がっただけの点数だったので、本当に少しずつだと思いますね(笑)。
それでも、ショートとフリーでひとつずつミスがあったなかでの自己ベストなので、そこは成長していると思う。全日本選手権の前くらいから少しずつ感覚がよくなってきていたので、やってきたことが間違いじゃなかったなと。
仕上がりが少し遅かったというのはあるけど、世界選手権に間に合ったというのはよかった。毎年成長できているということを実感できました」
2本のジャンプの転倒がなければ、13点以上は上積みでき、メダル争いにも絡めた結果だった。総合6位に終わった友野の世界選手権は、悔しさはありながらも次への希望も見える、貴重な大会になった。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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