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島田麻央、世界ジュニアで優勝も涙のわけ。憧れの浅田真央超えの快挙に「びっくりしてます」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

【浅田真央を超える快挙】

 その優勝は2005年に14歳5カ月で優勝した、浅田真央の日本女子最年少優勝記録を14歳4カ月に塗り替える快挙。島田は笑顔を見せた。

「(浅田)真央さんは私の名前の由来にもなっている、すごい憧れの選手なので。その選手と同じ位置に立てたのはすごくうれしいし、びっくりしてます。この金メダルは、自分にとってはいろんなことが詰まったメダルになったと思います」

 もうひとつの快挙は、シニアも含めた今季最高得点の更新だ。島田が9月末のジュニアGPシリーズのポーランド大会で出した217.68点が、GPシリーズのスケートアメリカで坂本花織が出した217.61点をわずかに上回っていたが、それをさらに上回った。その得点は世界歴代14位で、ジュニア歴代では2位の高得点だった。

 ジュニアの場合、女子SPではトリプルアクセルは跳べず、男女とも単発の3回転ジャンプは指定されていて、今季はルッツやフリップより基礎点が低いループになっている。

 また、フリーも今季からステップシークエンスがなくなり、全要素数はシニアよりひとつ少ない11になっている。そんななかでのシニア超えのシーズン最高得点は、島田の能力の高さを示すものだ。

 シニア移行の年齢も今年から段階的に引き上げられ、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪シーズンまで島田はジュニアにとどまらなくてはいけない。

 そんな事態だが、逆に島田がこれまで男女とも2連覇までしかなかった世界ジュニア連覇記録を、どこまで伸ばせるかという楽しみも生み出している。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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