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島田麻央、世界ジュニアで優勝も涙のわけ。憧れの浅田真央超えの快挙に「びっくりしてます」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

【課題の大技で見せた成長】

 とはいえ、2日後の3月3日のフリーは、トリプルアクセルや4回転トーループが入る難しい構成で、今季は挑戦を続けながらもまだ2本をそろえられていなかった。大会前にその2本のジャンプに手応えを得られなかっただけに、プレッシャーもあるはずだった。

 だが、島田の滑りは堂々としていた。

 キレのある動きで跳んだ最初のトリプルアクセルは2.51点のGOE(出来ばえ点)加点をもらう安定したジャンプとする。

 次の4回転トーループは残念ながら4分の1の回転不足と判定されて0.54点の減点となったが、きれいな軸で回転速度もあり、しっかりと降りた。全日本選手権などこれまでとはまったく違う出来のジャンプだった。

 さらに3本目の3回転ルッツ+3回転トーループも勢いのあるジャンプにして、1.52点の加点。

 その後の連続ジャンプや後半の3連続ジャンプに3回転ループ、3回転ルッツもクリーンに決め、スピンは3本ともレベル4とほぼノーミスの演技をした。

 演技後、笑顔でリンクから上がってきた島田だが、得点発表を待つ「キス&クライ」では涙を流し、濱田美栄コーチに労らわれていた。

 その涙の理由について島田は「今までの試合ではトリプルアクセルと4回転トーループの両方を決められることがなくて片方だけだったりしていて。練習でも思うように跳べなくてつらかった時もあったけど、この大舞台で跳べたので、うれしさの涙でした」と照れたように話す。

 その得点を見れば、大技が2本ある利点を存分に発揮し技術点は2位のシンに14.51点差をつける84.78点。

 演技構成点についても全選手中でひとりだけ、3項目すべてを8点台にのせ、しかも8.43〜57点という高い評価を獲得。2番手のクォン・ミンソル(韓国)に5.89点差をつける67.98点。

 フリーでもこれまでの自己最高を3.89点更新する152.76点を出して、合計を224.54点として圧勝した。

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