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髙橋大輔「よく落とさずにすみました」。かなだいは体力に課題。村元哉中は「踏ん張って!」と鼓舞していた (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

色気たっぷりなふたりの世界観

 11月18日のリズムダンス。演技開始前、髙橋は自らを奮い立たせるように、やや大袈裟に村元へ満面の笑顔を向けた。

「振り向いたら(髙橋)大ちゃんが笑顔だったので、これは大丈夫って思いました」

 村元はそう明かしている。

「公式練習でふたりのタイミングが合っていなくて。うまくはいっていない状況でした。でも、『思いっきり滑ろう』ってふたりで話して。自信を持って滑れたと思います」

リズムダンスのかなだいリズムダンスのかなだいこの記事に関連する写真を見る リズムダンスの『コンガ』は、スタートポジションがリンクサイド近くになる。GPシリーズ・スケートアメリカではカメラの前、チャレンジシリーズのデニス・テン・メモリアルチャレンジでは、振付師のマリナ・ズエワの前だった。

 そして今回はファンの目の前。村元はひとりのファンをロックオンし、少しも目を離していない。一方、髙橋は人の目を見ないようにしていたが、「最終的には目が合った」と言う。

 その一端にも、ふたりの性格が出た。

 ともあれ、一瞬でふたりの呼吸は合った。ラテンの旋律が会場に響くと、色気たっぷりに観客を世界観に引き込む。ふたりとも黒を基調にゴールドが入った衣装で、調和すると色が溶け合った。ツイズルも美しくシンクロ。最後のローテーショナルリフトは練習で苦戦も、結果はレベル4をたたき出した。75.10点で5位と、上位グループに入るスタートをきった。

「スケートアメリカ、デニス・テン(・メモリアルチャレンジ)は2試合連続で調子がよく、何も考えずに挑めたんですが」

 髙橋は事情を明かした。

「NHK杯はタイミングが合わないところがちょこちょこあって。うまくいかないながらも、調整しながらのパフォーマンスになりました。そこで公式練習、ウォーミングアップ、本番と、ひとつやるごとに修正することができたのは収穫で。100%じゃなくても、それに近いものを出せることができたのは成長かなと思います」

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