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宇野昌磨「自分から逃げる演技だけはしたくない」。足首を負傷も「いつもどおり」と5度目の全日本優勝を目指す (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【いつでも「今」に挑む】

「やるべきことを自分に課してきて、いろいろとひとつずつこなし、そのなかで見つかった課題とさらに向き合って。それで全日本に来ているわけで、どんな形でも試合は迫ってくるんだなって。だから今は、明後日(12月24日)の試合までどう調整するか、それも自分の課題で。どれだけ自分のジャンプを取り戻せるかだと思っています」

 宇野はこれまでも「今」に真っ向から挑むことで、「楽しさ」までたどり着いてきた。

 2018年平昌五輪での銀メダルに甘んじず、同年の全日本選手権では大会直前のケガのハンディを克服して優勝。2019年はコーチ不在で苦しみ抜いたが、全日本選手権では歓喜の4連覇を遂げ、2020年はコロナ禍で万事順調とはいかなかったが、ランビエルコーチとスケートの楽しさを深めている。

 いくつもの点と点が線になっているのが、宇野昌磨の強さだ。

「別人ではないけど、全てが向上したと思います。技術だけなく、精神面も」

 11月に行なわれたグランプリ(GP)シリーズ・NHK杯でトータル290.15点と自己記録更新で優勝を決めたあと、宇野は自信に満ちた表情で語っていた。

「スケートにうまく向き合うことができるようになりました。今までは、うまくなりたいという意欲ばかりが強すぎましたが。この大会は、やるべきことをやってこられたと思っています。ただ、もっとスケートがうまくなりたい。成長を続けることでプログラムを向上させ、昨日の自分に追いつき、追い越したいと思っています」

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