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宇野昌磨「自分から逃げる演技だけはしたくない」。足首を負傷も「いつもどおり」と5度目の全日本優勝を目指す (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

公式練習では、ステファン・ランビエルコーチと頻繁に言葉を交わした公式練習では、ステファン・ランビエルコーチと頻繁に言葉を交わしたこの記事に関連する写真を見る【足首のケガ「治らなかった言わない」】

 12月18日、宇野はフリップジャンプの着氷で、右足首をひねってしまった。言うまでもないが、痛みも出た。それ以来、ジャンプは跳んでいなかった。

 前日公式練習は、手探りで挑んでいたのだ。

「最初は痛いんじゃないか、と恐る恐るやりましたけど、痛くないし、いつもどおりできるって」

 宇野はそう言って、安堵の表情を浮かべた。

「ケガは言いわけにならないし、発言は迷っていたんですが。治らなかったら言わない、と思っていましたけど、ほぼ痛みはなく、これならケガが試合の良し悪しに直結しないとわかったので。これで調整が間に合わなかったら、(ケガよりもシーズンを通しての)調整不足ってことだし。ケガも実力のうちで」

 つまり、宇野は痛みが出るかでないか、ひとつの試練に向き合っていた。そこで得た感慨は、「積み重ねの強さ」だった。ケガの苦境をも、彼はリカバリーできたのだ。

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