村元哉中&髙橋大輔は「ふたりにしかできない」と運命を感じたプログラムを手に入れ、「100%の演技」で全日本に挑む

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

11月のNHK杯で日本歴代最高得点を出した村元哉中・髙橋大輔組11月のNHK杯で日本歴代最高得点を出した村元哉中・髙橋大輔組この記事に関連する写真を見る 昨年12月の全日本選手権、フリーダンス(FD)の前夜だった。村元哉中と髙橋大輔は、マリナ・ズエワコーチから電話を受けた。アイスダンス、カップル1年目、折り重なる課題と格闘していた。

「やるしかないんだから、自分たちを信じて皆さんに演技を披露するの! すばらしいゴールにたどり着くには、真っ直ぐな道はありません。全部、ぐねぐねと曲がっているの。きれいで真っ直ぐに見える道は、地獄にしかたどり着かないのよ」

 ズエワコーチは、テッサ・ヴァーチュとスコット・モイア、メリル・デイヴィスとチャーリー・ホワイトなど五輪のアイスダンス金メダリストを育ててきた名伯楽である。その励ましは心に響いたと言う。ふたりはルーキーで、一つひとつ乗り越えるしかない。

 時間がかかって当然だった。

 だからこそ、アイスダンス2年目の躍進は瞠目に値した。

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