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羽生結弦が新プログラムに込めた思い。SP首位発進でフリーも注目度大 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 だが、その後にジャッジスコアが出ると、羽生が納得していなかった2本のジャンプは3.05点と2.99点の加点を取っていたが、チェンジフットシットスピンが構成要素として認定されず0点になっていた。現状では、大会側からの正式発表はないが、シットスピンをレベル4にするために、足換えの前と後でそれぞれ2種類のシットポジションで回った中で、回転数が足りないポジションがあると判定されたのかもしれない。本人にとっても予想外の結果だった。

 羽生は新プログラムのSP曲を選んだ理由を説明した。

「曲は(振付師の)ジェフリー・バトルさんが選んでくれたけれど、最初はピアノ曲を探していたんです。でも、ジェフリーさんもなかなかうまく決められなくて。候補曲を2、3曲渡されましたが、自分の中でしっくりくるものがなかった。

 世の中の状況を見ている中で、皆さんは(コロナ禍の)辛い中でもスケートをさせてくださるのだと思った。だから明るい曲を選んで、ちょっとでも明るい話題になったらいいなと考えました」

 カナダにいるバトル氏と連絡を取ることは時差もあって難しい部分もあったが、なんとかプログラム作りを進め、振り付けは自分でも手がけたという。そして、羽生は「いろいろなものを加えようとしていたし、いわば、全部が見どころみたいにしようと思ったりもした」との"欲"も持ったと振り返る。同時に、ジャンプとの兼ね合い、観客が呼吸できる場所、心から乗り切れるような芸術性を考えながら振り付けを決めたという。

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