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本田真凜、シニアデビュー後の挫折で得た「スケーターとしての厚み」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

SP演技の本田真凜SP演技の本田真凜「考えてスケートをするっていうことが今までなかったので」

 昨年、インタビューで本田はそう告白していた。

「良かったときも、悪かったときも、すぐに過去のことになっちゃう。ショート(SP)、フリーがあると考えたときに、切り替えという部分ではいいと思うんですけど。自分はとても感覚的な選手と言うか」

 即興で振付し、ジャンプを入れられたのは、その感性の豊かさのおかげだろう。そんな芸当ができるスケーターが、世界に何人いるのか。彼女はきれいに音を拾い、曲に乗っていた。

 本田真凜の面目躍如(めんもくやくじょ)だった。

 しかし、彼女はセンスだけで苦境を乗り越えたのではないーー。

 本田は、2016年の世界ジュニア選手権優勝で一躍脚光を浴びた。17年にも、平昌五輪で金メダルを勝ち取ったアリーナ・ザギトワと競い、世界ジュニアで2位になった。そして2017--18シーズンに、颯爽とシニアデビューを果たした。

 だが、その後は低迷することになった。

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