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羽生結弦、スケートカナダ初勝利へ調整。「一つひとつ噛みしめる」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「そこは徐々に、徐々につかんでくると思うので......。エッジ系のジャンプはとくにですけど、氷の状態との相性がある。そこはしっかり氷にいろいろ聞いてみながら、エッジとどういう風にコネクトするのがいちばんいいか、方法を探しながら、時間をかけてやっていきたいと思います」

 羽生は、そのあとの午後の2回目の公式練習では、4回転ループには慎重に対処していた。助走をしない3回転ループでエッジを確認したあとで跳んだ4回転は、軸が右側に流れて転倒。それを少し修正して臨んだ曲かけでは、微妙に左側に流れるジャンプで着氷を乱し、手を着いた。

 だが、そのあとは跳ぶ位置をずらしたり、一度ヒザを曲げてエッジの位置を確認してからそのまま助走もなく4回転を跳ぶなど、じっくりジャンプの感覚を作り上げようとしていた。冷静にこの大会に臨んでいるからこそ、SPの曲かけではすばらしいジャンプを見せていた。

 過去3戦で2位3回のスケートカナダで、初勝利を挙げたい気持ちは強いはずだ。それでも、自らを過剰に高ぶらせることなく、落ち着いて臨もうとする羽生。今回のSP、さらにフリーへの期待も大きなものになってきた。

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