2019.10.25

羽生結弦、スケートカナダ初勝利へ調整。「一つひとつ噛みしめる」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 スケートカナダ競技前日、午前9時25分からの最初の公式練習で、羽生結弦はショートプログラム(SP)の曲かけで、すばらしいジャンプを決めた。

 それまでの、3人の曲かけが行なわれている時とはまったく違う力みのないジャンプ。最初の4回転サルコウを軽い感じできれいに決めると、次のトリプルアクセルから4回転トーループ+3回転トーループまできっちりと決めた。それでいて、動きにはキレもある。平昌五輪SPのジャンプを彷彿させる冷静さで、軽やかに跳んでいた。

 その5時間ほどあと、羽生は「リズムも気持ちよく跳べていましたし、すごく安心できる材料にはなると思う。あとはこれをうまく利用して再現し、いいタイミングで跳べるように滑り込んでいきたいなと思います」と話した。記者に囲まれて話をする表情や口調は、これまでにない落ち着きを見せていた。

スケートカナダの公式練習で冷静に調整をする羽生結弦「オータムクラシックのあとは、本当に試合のための練習を、ずっと繰り返してきました。調整の仕方とかも、ちょっとずつ、なんというか、一発にかけるという感じではなくて、一つひとつ噛みしめるような調整ができました。自分の中ではいい調整をしてこられたのかなと思います」

 もちろんノーミスの滑りをしたい意識が強くあるのは、オータムクラシックから「変わっていない」と言う。ただあの時のように、「ただがむしゃらに、ひたすらにノーミスをしたいという感じではない」とも言う。