GPファイナルSPで羽生結弦が言う「プログラムの成立に不可欠なもの」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 本番では、その4回転ループを、本人が「練習でもやったことがないような耐え方だった」という、ピタリと止まってしまう着氷だったがなんとかこらえ、続く4回転サルコウからの連続ジャンプをきれいに決めた。

 次のフライングキャメルスピンをなんとかこなすと、そこからは乗りに乗った演技になり、スピンとステップをすべてレベル4にする完璧な滑りでフィニッシュ。106・53点を叩き出して、99・76点を出していたパトリック・チャン(カナダ)を抜き、トップに立った。

「すごく緊張して、久しぶりに手足が震えるほどでした。最初の4回転ループは減点がつくすごく汚いジャンプでしたけど、降りることができました。NHK杯よりちょっとステップアップしたと思うので、そこでいい具合に緊張がほぐれたと思います。もし最初の4回転ループがきれいに決まっていたら、『ノーミスをしなければ』と思って余計緊張したと思いますけど、あのジャンプだったから、ある意味緊張がなくなりましたし、そこから速いビートであったり歌詞であったりを考えることができました。会場も盛り上がったので、そういうものも含めてお客さんの歓声や拍手でこのプログラムが作られたなと思います」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る