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GPファイナルSPで羽生結弦が言う
「プログラムの成立に不可欠なもの」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 6分間練習は久しぶりに経験する苦戦で、羽生は心の中で「ヤバイな」と思ったという。その原因は緊張だった。そのため自分の演技を待つ間に、その緊張がどういうところからくるものなのかを分析していたという。

「ファイナルという緊張感もありました。それに加えて、午前中の公式練習がよかったということもあったんじゃないかと思います。昨日はすごく悪かったのに、今日の午前の練習はすごくよかった。そういったことでの緊張があったのかなと思います」

 SPの『レッツゴー・クレイジー』は、拠点としているトロントのクリケットクラブで滑っているときも、「自分がコンサートやライブをやっているホールで、ロックスターになったような気分で滑っていた」と羽生は言う。

 その意味では「観客なしでは成立しないプログラム」(羽生)であり、観客との一体感や距離感に関しては、ほぼ納得の演技ができたNHK杯で殻を破れた手応えもあった。だからこそ、今回のGPファイナルは「より楽しみながらできた」と言えたのだろう。

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