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【ミラノ五輪】スマイルジャパン、イタリアに涙の敗戦 若きエース輪島夢叶が感じた「足りなかったこと」

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

 2月9日、ミラノ。ミラノ・コルティナ五輪、アイスホッケー女子日本代表"スマイルジャパン"は予選リーグ3試合目でイタリアと対戦し、2-3と惜しくも敗れている。枠内シュート本数では29本対23本、パワープレー(数的優位で戦える)の時間も長かったが、不用意に失点し、チャンスを決めきれなかった。

 これで日本は予選B組で1勝2敗。5チーム中3位以上で準々決勝進出となるが、そのためには「最終戦で首位スウェーデンを下し、ドイツがイタリアに負ける」と、条件は厳しい。しかし、首の皮一枚で残った。

「(2試合目のドイツ戦は序盤に3失点し、)イタリア戦も序盤で2失点したのは反省するところですが、前半で1点を返せたのは勇気づけられましたし、強い気持ちで戦うことができました」

 ディフェンスの小池詩織は、そう言って試合を振り返っている。多くの選手が悔しさに涙を拭うなか、キャプテンを務めるベテランは展開を冷静に考察した。

「試合前に"チャンスが来たら積極的にシュートを打っていこう"という話をしていて、序盤はそう話したとおり、2失点も返せる範囲のスコアリングチャンス(得点機会)がありました。ただ、追加点を取ることができず......。反省点は、(相手の)シュート力があるな、とは感じました。縦に行くスピードが速かったし、ターンオーバー(攻撃中にパックを奪われ逆襲されること)から失点につながったシーンもありました」

 その分析は芯を食っていた。今大会のスマイルジャパンを象徴する言葉でもあった。裏を返せば、そこに逆転や強化の道筋があるのかもしれない。

イタリア戦後、涙を流しながらリンクをあとにするスマイルジャパンの輪島夢叶 photo by Sunao Noto / JMPAイタリア戦後、涙を流しながらリンクをあとにするスマイルジャパンの輪島夢叶 photo by Sunao Noto / JMPA 第1ピリオド、スマイルジャパンは悪い入り方ではなかった。相手のプレスに対し、パックをコントロール。ドイツ戦の序盤でいきなり失点を繰り返した入り方を修正できていた。

 しかし12分34秒、イタリアのマティルデ・ファンティンのパワー、スピードで前に行かれてしまい、そのままファーサイドに流し込まれる。相手と入れ替わってしまうディフェンスの脆さが出た。18分51秒にも外側を回された後、ファンティンにミドルレンジから強烈な一撃を食らう。GKのサイズ、シューターへの寄せの甘さもあったが、単純にシュートのパワーを見誤ったということか。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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