「ロシアの選手、すごすぎる」。坂本花織、緊張しながら涙の世界3位

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 フランスのマルセイユで行なわれたフィギュアスケートのジュニアグランプリ(GP)ファイナル女子。7年連続で頂点に立ったロシア勢の勢いが目立つ中、日本女子は何とか3年連続で表彰台の一角を占めた。

 日本は今回のファイナルに3人の選手を送り出したが、大会前にインフルエンザが判明した世界女王の本田真凜が出場を取りやめ、全日本ジュニア女王の坂本花織と、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を習得中の紀平梨花が初めての出場で表彰台を目指した。

ジュニアGPファイナルで3位になった坂本花織。右が優勝したアリーナ・ザギトワジュニアGPファイナルで3位になった坂本花織。右が優勝したアリーナ・ザギトワ 11月に全日本ジュニア選手権を制したばかりの坂本は、タレント揃いのロシア選手の胸を借りるつもりでチャレンジャーとして臨んだ。だが練習から圧倒されてしまい、だんだん自信をなくしていったようなところがあった。それでも、「自分の演技に集中すれば結果はついてくる」と信じて戦ったという。

 目標に掲げたノーミスの演技をしたショートプログラム(SP)では、自己ベストに迫る合計64.48点で2位につけ好発進。だがそれで逆に欲が出てしまったのか、フリーでは緊張から体が重かったという。自分の出番がくると、リンクに入ってすぐに外したエッジケースを落とすなど、気持ちの焦りが表に出ていた。

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