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中国杯優勝の浅田真央。印象的だった「とてつもない伸びしろ」 (5ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha   能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 ブランクの影響も垣間見せた。昨季から「名前のコールから30秒以内でスタートポジションにつかないと1点減点」になるという規定ができたが、フリーの最終滑走だった浅田は32秒かかり、1点減点されてしまった。「勘違いしていました。これまでと同じく1分かと思ってしまって……」と、ルール変更に戸惑いを見せた。この減点が勝敗を左右しなかったことに、「今回で良かった」と胸をなで下ろしていた。

 ただおそらく本人も、復帰宣言をした当初は、相当な時間をかけなければ、休養する前に出場して優勝した「昨年(2014年)の世界選手権レベル」にまで戻すことはできないと思っていたに違いない。本格的に競技会仕様の練習に取り組んだわずか数カ月の時間で、それを休養前とほぼ近いレベルまで復活させてきた。しかも一部のエレメンツ(技)では休養前よりもパワーアップしているところが見られた。これにはスケート関係者や報道陣も驚きを隠せなかった。

「いま試合を終えて振り返ってみると、一発一発(のジャンプ)はもう何も問題なくいくので、あとはもう、最初から最後まで(プログラムを)通して(ジャンプを)やるリズムを作っていかないといけないんだなと改めて感じました。(今回の大会に出場してみて)試合勘はそこまで抜けていなかった。まだまだ(プログラムの)仕上げの段階で、まだもっと追い込まないといけないんだなと、SPでもフリーでも思いましたね。いつもよりも仕上がりは早いほうですが、曲を通したときにまとまった演技ができるように、これからはプログラム全体を通した仕上げの演技をしていかないといけないなと思いました」

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