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【フィギュア】ソチで好発進。
羽生結弦が憧れのプルシェンコに勝利した意義 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Noto Sunao/JMPA

 世界選手権3連覇中で、羽生の最大のライバルであるチャンは、演技直前の6分間練習から不安定だったジャンプでミス。最初の4回転トーループでは着氷で重心が後ろに行き過ぎて次の連続ジャンプが2回転になり、3Aは完全に回りきりながらも着氷でミスをしてステップアウト。結局、チャンの得点は89・71点で3位と、精彩を欠いた。
ジャンプでミスをするなど、3位に終わったパトリック・チャンジャンプでミスをするなど、3位に終わったパトリック・チャン

 ベテランのプルシェンコが底力を見せるなか、最後は羽生が存在感を示し、13日からの男子シングルへ向けて好発進をしたといえる。

「淡々と自分のプログラムを楽しめたなと思います。今のコンディションでできることを最大限出せたし、最後まで全力で滑りきれたので、非常にいい感覚で個人戦へいけるんじゃないかなと思います」

 こう話す羽生は、個人戦までまだ1週間あり(現地時間でショートプログラム13日、フリー14日)、ライバルがどう調子を上げてくるかわからないこともあって、「相手との差というのはわからない」とも言う。だが、「自分の今の状態がどうなのかわかったことは大きい」と、この日の自らの出来を評価する。

 また羽生にとって、小さい頃からの憧れであるプルシェンコと同じ五輪の舞台に立ち、得点で彼を上回れたことはとても意味のあることだった。

「プルシェンコ選手が自分より前に出ていたので、演技を見られなかったことはすごく残念でしたけど、彼の得点を見る限り『素晴らしい演技をしたんだろうな』と思っています。実際、彼は僕にとって脚が震えるような憧れの存在です。とにかくこの舞台で一緒に滑れたことが、本当に嬉しいですね」

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