【フィギュア】ソチで好発進。
羽生結弦が憧れのプルシェンコに勝利した意義
2月6日、ソチ五輪から実施される新種目、フィギュアスケート団体戦が行なわれ、男子ショートプログラムで、羽生結弦が見事な演技を披露して1位となった。
10名中最後の演技者となった羽生は、昨シーズンから演じている『パリの散歩道』を、完璧な内容でまとめ、このプログラムを完全に手中にしたといえるほどの出来。
フィギュアスケート団体戦の男子ショートプログラムで完璧な演技を見せた羽生結弦 9番滑走のパトリック・チャン(カナダ)が演技を終えた時点で、トップは地元ロシアのエフゲニー・プルシェンコ。ソルトレイク五輪の銀メダリスト、トリノ五輪の金メダリスト、バンクーバー五輪の銀メダリストであるプルシェンコは、4回転トーループ+3回転トーループの連続ジャンプを成功させるなど、91・39点の高得点を獲得し、会場にはロシアコールが沸き上がっていた。だが、羽生はその歓声を自らへの拍手に変えてみせたのだ。
「すごく緊張しました。今回は僕だけのスケートではないし、日本チームのためにという部分があったから。五輪に出ることを想像していましたけど、夢の舞台で脚も震えずに最後まで全力で滑り切れたというのは、本当に自分を褒めてもいいのではないかと思います」
チームのために10点(1位は10点。以下2位に9点、3位に8点と10位まで1点ずつ獲得ポイントが下がる)を取れてホッとしたという羽生だが、その演技には不安のかけらも感じられなかった。
最初の4回転トーループを完璧に決めると、後半に入ってのトリプルアクセル(3A)も、9人の審判のうち5人がGOE(技の出来ばえ)の最高点3点をつける文句なしのジャンプ。その後の3回転ルッツは回転軸が斜めになってしまい、ステップシークエンスはレベル3だったものの、得点はトップに立つ97・98点。羽生は「日本以外で95点以上を出せたのは本当に嬉しかった」と笑みを見せる。
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