2014.02.06

【フィギュア】ソチで荒川静香のイナバウアーを再現したら?

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by Getty Images

フィギュアの得点はどうやって決まるのか(後編)

 冬季五輪の華であるフィギュアスケートは、技術と芸術を競う採点競技である。「採点方法がわかりにくい」と言われるのは、そのこととも関係があるかもしれない。しかもその採点方法は時代によって変化している。現行のルールになったのは、2004年のこと。それまでは各ジャッジが技術点、芸術点を6点満点の相対評価で採点していたのを、個々の技の点数を決めてそれを加算する方式にした。それによりスポーツ性が高まり、ジャンプの価値が高まったわけだが、見て感じた芸術性を点数に落とし込む難しさは残った。公正さを求めて、ルールはその後もさらに改正されており、細部を見ればトリノ五輪、バンクーバー五輪、そしてソチ五輪でも、違ったものになっている。

 技の中でも大きな得点源となるのがジャンプだが、フィギュアスケートの技にはジャンプ以外にも、ステップやターン、スピン、スパイラル(片足を腰より高い位置に上げた姿勢で滑ること)、さらには「イナバウアー」や「イーグル」(クラシックバレエで言う2番のように両足を伸ばした状態で180度に広げ、つま先を外に向けて開いた状態で滑っていく技)、「バタフライ」(氷をけって体を一瞬氷と平行にする技)に代表されるムーブメント技(ジャンプやスピンの前に入れたり、つなぎに使ったりすることで評価につながる技)がある。

ソチ入りしたパトリック・チャン(カナダ)。演技構成点の高さを誇る 種類や回転数によって細分化されたジャンプには、それぞれ基礎点という得点が明確化されて技術点に組み込まれる。その技術点には、ジャンプ以外ではステップとスピンの点数が加わる。しかし、7種類のステップと6種類のターン(注1)、多彩なスピン(注2)は、ひとつひとつの技には基礎点という得点がついてはおらず、ターンやステップ、スピンの種類と数、リズムなどの様々な組み合わせによって難度のレベルが1から4(1の前にBがあるが、シニア競技ではほとんど該当者がいない)までがついて判定される。それに審判が質(クオリティ)を判断してGOEで±3の評価を下す。

(注1)両足または片足で行なうステップには「チェンジエッジ」「クロス」「トウステップ」「ラン」「モホーク」「チョクトウ」「シャッセ」の7種類があり、片足で行うターンには「カウンター」「スリーターン」「ロッカー」「ブラケット」「ツイヅル」「ループ」の6種類がある。これらの技を滑るときに、エッジポジションの左か右か、インかアウトか、フォアかバックかの組み合わせを加え、多様なステップシークエンスが出来上がる。