NHK杯優勝の浅田真央。フリー失速にも取り戻した自信 (4ページ目)
浅田もそのことについてこう語っている。
「トリプルアクセルを入れないことで、この2試合はSPで安定しているので、このベースは崩したくないと思っています。もちろん自分としては、やっぱりトリプルアクセルに挑戦したい気持ちはあるので、今シーズンどこかの試合で間に合わせて早く跳べたらいいと思っています」
浅田自身は跳びたいという気持ちを持ち続けてはいるが、15歳の時のような完璧な状態になるまでは、今後もおそらく試合には組み込まないだろう。佐藤コーチの下で22歳になった浅田は、勝負にこだわる戦い方がどういったものなのか、そしてフィギュアスケートの本質が何かを学び、大人の判断ができるようになった。もう「真央ちゃん」と呼ぶよりも「真央さん」と呼ぶほうが相応しい。
12月6日から始まるGPファイナルには、勢いに乗っているワグナー(米国)とコルピ(フィンランド)に、トゥクタミシェワとリプニツカヤのロシアの若手2人と、ソチ五輪のプレ大会を思わせる顔ぶれが集う。五輪を占う一戦にもなりそうだ。
「NHK杯と同じ失敗は繰り返さないようにする。SPとフリー、ジャンプとスケーティングと、ファイナルでは両方ともそれぞれきちんとやりたい」
失っていた自信をやっと取り戻したシーズンになりそうだ。
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