NHK杯優勝の浅田真央。フリー失速にも取り戻した自信
NHK杯で優勝した浅田真央(右)と僅差で2位となった鈴木明子 今季初戦のグランプリ(GP)シリーズ第3戦の中国杯で実に4季ぶりのGPタイトルを手にした浅田真央が、ファイナル進出が懸かったGP最終第6戦のNHK杯でも4年ぶり3度目の優勝を手にした。シーズン前には「少し不安」と口にしていたが、今季GP2勝を挙げてGPファイナル進出を果たした。
フリーで4つのジャンプでミスを連発しながらも、トップの演技構成点をマークして逃げ切り、フリーで自己ベストの126.62点を出して1位だった鈴木明子をわずか0.05点差 でかわしての優勝だった。浅田本人は「悔いの残る試合」と振り返ってファイナルに向けてまた宿題を作った形だ。
一方、佐藤信夫コーチは「今回はミスが続きましたが、かなり練習を積んできましたし、またこれがいい刺激になったと思います。もう1度、一からたたき上げていけば、少しは形になっていくのではないかと思っているので、いい勉強になったかと思います」と手応えを口にしていた。
昨季までの2シーズンは、ジャンプの修正をはじめ、スケーティングスピードをつけるなど新たなことにも取り組んだことで思うように調子が上がらず、世界選手権は2年連続で6位に終わっていた。大好きなスケートを一時は辞めようとさえ思ったというが、このシーズンオフにはスケート人生で初めて長期間リンクから離れて心身の休養にあててリフレッシュし、「やはり自分にはスケートしかない」と再びスケートに向かう気持ちを取り戻した。
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