NHK杯は羽生結弦が制覇。GPファイナルで日本人男子の争い激化
NHK杯優勝は17歳の羽生結弦。2位は26歳の髙橋大輔 今シーズン、カナダを本拠地に移した羽生結弦(ゆづる)は、自らが成長した姿を地元・仙台で開催されたNHK杯で存分に見せつけた。
まずショートプログラム(SP)で昨シーズンより力強さとメリハリがある滑りで観客を魅了。4回転トーループを始め、トリプルアクセル、連続3回転と難度の高いジャンプを余裕を持ってこなし、3回のスピンはすべてレベル4。さらにステップシークエンスもレベル3にまとめ、10月のスケートアメリカで自身が出した世界歴代最高点をさらに上回る95・32点を叩き出したのだ。
これで羽生は、SP2位の髙橋大輔に対し7・85点の大差を付けることに成功。ふたつのジャンプをボーナス点が加わる後半に持っていった構成の優位性を存分に活かす結果だった。
「スケートアメリカはいい得点が出ましたが、その時と同じような得点を出す演技ができたことに喜びを感じます。今日の出来は99点くらい。1点の減点はルッツの前の気の抜き方というか......、体力を温存しようとする気持ちがあったから」(羽生)
ただ、フリーへ向けて不安もあった。スケートアメリカではSPを歴代世界最高得点でスタートしながらも、フリーで3度の転倒。これで失速し、小塚崇彦に次ぐ2位に止まっていたからだ。スケートアメリカのあとはフリーの通し練習をじっくり積んできたが、今回も、髙橋と練習仲間のハビエル・フェルナンデス(スペイン)に逆転される可能性は十分あった。
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