【フィギュアスケート】浅田真央が復活優勝で示した「成熟」の証
4年ぶりの出場となったGPファイナルで優勝した浅田真央 ソチで開催されるGPファイナルに臨む浅田真央は慎重だった。現地入りは日本選手では最も遅い12月5日の深夜。昨年もファイナル出場権は獲得していたが、大会直前に母・匡子さんが逝去したために欠場しており、今回は2008年以来4シーズンぶりの出場となった。
2週間前のNHK杯後に腰痛が再発していたという理由もあっただろうが、「いつも現地へ入る時はベストの状態にしているので。ソチへ入ってから調子が下がらないように、ギリギリまで日本で調整していた」と、これまでの経験をふまえて決めたスケジュールだった。
翌日、午後1時過ぎからの公式練習で音楽のかかる順番が一番目だった浅田は、ジャンプやスピンをすべてパス。つなぎとステップシークエンスを確認するだけにとどめた。そして、その後ほかの選手の曲がかかっている約30分間は、ひとつひとつのジャンプをじっくりと確認するように跳んでいた。
「ファイナルは初めて出た大会で優勝して以来、何回か出ていますけど、久しぶりだからといって特別な思いはないし、どの試合でもやってきたことを出そうと思うだけです」(浅田)
平常心を強調していた彼女の落ち着きは、7日のショートプログラム(SP)になっても変わらなかった。
最初のダブルアクセルを余裕を持って降りると、今季は回転不足が目立っていたトリプルフリップも、「跳ぶ前に体を使った反動をなるべくつけないで、シンプルに入るように修正した」と、回転不足にならないジャンプで次のダブルループにつなげた。さらに、スピンとステップはすべてレベル4と、まさに快心の演技だった。
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