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【ボクシング】井上尚弥に敗れたカルデナスが、中谷潤人とのスパーで進化し再起 それを支えた名トレーナーは「ジュント以上の選手は見当たらない」 (4ページ目)

  • 林壮一●取材・文 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

【カルデナスが再起戦で見せた新たな引き出し】

 12月18日のカルデナスは、立ち上がりから落ち着いていた。ガードを高くし、両拳の間から目を光らせて相手の動きを観察する。戦いぶりが"モンスター"との試合とはまるで違った。

 今年の7月に日本を訪れた折に新調した、日本製の白いリングシューズが目を惹く。WBA2位は千代田区小川町のミズノ社に出向き、特別モデルを注文した。同社と契約する井上尚弥の影響か。

カルデナスがミズノに注文した特別モデルのシューズ(写真提供:ミズノ株式会社)カルデナスがミズノに注文した特別モデルのシューズ(写真提供:ミズノ株式会社)この記事に関連する写真を見る

 16勝3敗のサウスポーは遠目からジャブを放っていくが、カルデナスを捉えられない。その軽快なフットワークは、中谷の影響と思えた。「カルデナスって、マネするのが上手いんですよ」という中谷の言葉が蘇る。

 小刻みに体を揺らしてリズムをとり、前の手でフェイントをかける様は、中谷との99ラウンドでカルデナスが何度もトライした動きだった。中谷にはなかなか通じず、接近するのもひと苦労だったが、この相手なら余裕を持ってコントロールできた。1ラウンド2分10秒過ぎ、カルデナスはサウスポーが入ってくるタイミングに合わせた右アッパーのカウンターを放った。その1発で両者の力量差がハッキリと見てとれた。

 ロブレスは「122パウンド(スーパーバンタム級)でジュント以上の選手は見当たらない。カルデナスにとって、最高の学びを与えてもらった」と振り返ったが、確かにその効果を遺憾なく発揮する。ノックアウトは時間の問題と思えた。

 2回、カルデナスは顔面へのジャブ、ボディへの右アッパー、右ストレートと手数を増やす。同ラウンド残り34秒で右ストレートをヒットし、相手をぐらつかせる。中谷にはなかなか当たらなかったが、このサウスポーになら難しい作業ではなかった。

 3ラウンドに入っても、カルデナスの上下の打ち分けが光る。カウンターの右ストレートで、16勝3敗にダメージを与えていく。井上戦のように執拗に左フックを振り回すことはない。そして2分21秒、強烈な右フックを打ち込みダウンを奪った。

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