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【証言・棚橋弘至】武藤敬司が振り返る意外な過去 「オレもタナも、最初はファンからブーイングを浴びていたんだよな」 (3ページ目)

  • 井上崇宏●取材・文
  • 市川光治(光スタジオ)●構成

── 獣神サンダー・ライガーさんはどうですか?

武藤 ライガーなんかは陰湿の陰だよ!(笑)。リング上もプライベートも。あとは(佐々木)健介とかもそう。馳(浩)のほうが陽だよ。まあまあ、陰な奴のほうが多いよ。石沢とか小原(道由)とかも陰だったよなあ。

【武藤が切り開いた"新しいプロレス"の系譜】

── すみません、棚橋選手の話でした。

武藤 やっぱさ、オレ自身が昔ながらのトレーニングシステムを否定していたから、そういう意味ではオレとタナは似てるんだよ。忍耐とかさ、スクワット何千回とか、最初から否定から入ってたから。遅筋なんかを鍛えるよりも見た目重視で速筋を鍛えるほうがプロレスラーとしては絶対いいと思っていたから、ウエイトばっかりやってたよ。

 遅筋を鍛えるなんて、そんなの必要ねぇよ。筋肉って2種類しかなくて、マラソンにふさわしい筋肉と、短距離にふさわしい筋肉。要は、持久力のある筋肉かマッチョの筋肉かっていう。遅筋と速筋、白筋と赤筋とも言うけど、速筋は100メートル走とか瞬発力の筋肉で、逆にマラソン選手なんかは遅筋が大切だったりするんだけど、それは鍛え方とかもまったくの別物なんだよね。

── 道場の練習に努力する必要のない部分を感じていたと。

武藤 一応、オレも柔道整復師の免許を持ってたからさ、そのへんの知識は最初からあって。だってさ、30くらいになったらみんなそういう練習はしないんだよ。それって意味がないってことに気づくからじゃん。それでタナもそうだと思うけど、見た目のいい速筋をつくるっていうのは、プロレスラーになってなくても好きだったからオレは今でもやってるわけじゃん。自分のホビー(趣味)っていうか、フォー・ライフですよ。

── 全日本に誘ったくらいですから、その頃にはレスラーとしての棚橋選手に魅力を感じていたわけですよね?

武藤 でも、なんかあいつは人気がなかったんだよな。その理由は、オレにはよくわかんねぇんだけど。まわりのプッシュが強かったからなのか、そういうのは判官びいきで嫌われるからね。

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