ジュリアが語る、Sareeeに抱いた人生初の感情「嫉妬するって、こういうことなんだ」 (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

【Sareeeに感じた人生初の嫉妬と、相反する感謝の気持ち】

――両国大会でのジュリア選手とSareee選手の対決は、2019年6月18日に新木場で行なわれた「田中稔デビュー25周年記念大会」以来5年ぶりでした。

ジュリア:私はこれまで、誰かに嫉妬されることはあっても、私が誰かに嫉妬したってことはなかったんです。プロレスファンに叩かれて、「悔しい、ムカつく、もっと強くなってやる」と思うことはありましたけど、どこかに余裕はあった。だからリング上で泣いている選手を見ると、「こいつ、なんで泣いてるの」と思っていましたね、なんか恥ずかしくて。

 そもそも、そういう負の感情を持ってなかったので、それをリング上で表現する人も苦手だったんです。「わざとらしいんだよ」って思ってました(笑)。そんな私が初めて、「嫉妬するって、こういうことなんだ」と理解した相手がSareeeでしたね。

――それは具体的に、どんな感情だったんですか?

ジュリア:マリーゴールド旗揚げの時は、「ジュリアがエース」と見られていました。自分では言ってなかったんですけど(笑)、そんな雰囲気があったのは確かです。それが、私が欠場している間にSareeeに全部かっさらわれたなと。それをただ見ていることしかできなくて、「闘うことができないプロレスラーなんてなんの価値もないな」って痛感して。

 リングで活躍するSareeeを見ると、ムカついてイライラしたし、「本来そこにいるのはお前じゃないんだよ」とか、気づいたらSareeeのことばかり考えてましたね。対抗するレスラーもいなかったから、「止めるのは絶対に私。7.13両国大会で、全部ひっくり返してやる」と意気込んでいたんですが......結果は腕を攻められてレフェリーストップ。試合が終わって、それまでの思いがリング上で爆発して、涙があふれてきました。「あっヤベェこれ私が嫌いなやつ......」と思いましたけど、仕方ないですね。自分の感情がそのまま出たんで。

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