ジュリアは「女子プロレス界のために」海外へ スターダム退団と新団体の旗揚げに加わった理由 (4ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

――旗揚げ戦はジュリア&林下詩美vs Sareee &ボジラという豪華カード。試合時間は28分を超えましたが、ジュリア選手は開始4分で右手首を骨折。そこから約24分間、どんな状態でリングに上がっていたんですか?

ジュリア:メチャクチャ痛かったですよ(笑)。まったく腕に力が入りませんでした。でも、旗揚げ戦のメインイベントを任された責任もありますし、対戦相手にはライバルのSareeeもいるから「やるっきゃねえ!」と気合いで乗り切りました。手首を使わないで済むように、肘で受け身を取る形に切り替えて。

 旗揚げ戦の翌日、『週刊プロレス』のトークイベントがあったんです。そこにギブス姿で登場した瞬間、お客さんが「ジュリア、どうしたの?」と驚いた顔をしたんですよ。だから最初に「すいません。昨日の試合で骨折して、しばらく休むことになりました」と謝りました(笑)。

――旗揚げ戦の会場の雰囲気はいかがでしたか?

ジュリア:旗揚げ戦に相応しい照明や音響で、スモークが焚かれて選手がひとりずつ入場。超満員札止め。とにかくファンの方の熱気が凄まじかったですね。その光景を目の当たりにして、「やっと始まるんだ」と感慨深いものがありました。

 スターダムを退団してから旗揚げ戦までの期間もいろいろあって......深く話すことでもないですけど、小川さんの突然の解雇、そこまでの経緯も知っている身からすると納得がいかない部分はありました。事実と違うことが表に出るたびに、「嫌な世の中だな」と。小川さんは本当に新団体旗揚げできるのか、と心配になることもありましたよ。

 5月20日の旗揚げ戦は、さまざまな出来事を乗り越えての新たな船出だったわけです。「やっと、ここまできた」というか、「なんとかここまで辿り着くことができた」という感じでした。

――後楽園の超満員の観客を見て、ひと安心したんですね。

ジュリア:「旗揚げ戦は選手が極端に少ないのにうまくいくのかな?」という状況でしたからね。奇跡的に「アクトレスガールズ」を退団した5人が入団してくれたけど、もともとは7人でのスタート。「小川さんには人を引き寄せる力があるんだ」と思いましたし、やっぱり土壇場で逆転する何かがある。"持って"ますね(笑)。

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