ジュリアは「女子プロレス界のために」海外へ スターダム退団と新団体の旗揚げに加わった理由 (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

【超満員の旗揚げ戦に「やっと、ここまできた」】

――4月1日、プロレスリング・ノア「MONDAY MAGIC」新宿大会にジュリア選手が登場。そして5月4日のノア両国国技館での「WRESTLE MAGIC 2024」には、ジュリア選手、林下選手、桜井選手、MIRAI選手が出場し、ノアの女子勢と対決しました。

ジュリア:「MONDAY MAGIC」は NOSAWA論外さんに呼んでいただきました。3月31日に山形でスターダムでの最後の試合をやったあと、すぐに東京に戻ってサプライズ登場。5月の「WRESTLE MAGIC 2024」は、旗揚げ戦を前にした"お披露目"的な感じでしたね。

――マリーゴールドの設立記者会見が行なわれたのは4月15日。ジュリア選手はリーダー的な存在ですね。

ジュリア:ほかにまとめ役がいなかっただけですよ。ひとりひとりの個性は強いんですが、のんびり屋さんも多いから(笑)。ガミガミ言うのは私くらい。「ジュリアがまたなんか言ってる。うるせえ〜」って思われてるでしょうね(苦笑)。

――旗揚げ戦前にはファンミーティングを開催。強化合宿をマスコミに公開するのも珍しいと感じました。

ジュリア:小川さんは、日時や場所などの"器"は作ってくれますが、中身は丸投げ。そこから生まれる感情のうねりやもつれなどをカードに取り入れるというやり方ですよね。ただ、マリーゴールドは始まったばかりで組織としての形になっていなかった。組織になりきっていない単なる"個の集まり"が、無計画に合宿をやってもバラバラになるだけなので、そこをまとめるのが私の役目でした。

 ただ、私がマリーゴールドにいる時間は限られてるので、そこからは少しずつほかの選手に振るように心がけています。組織としてのまとまりを作らなければ、選手は安心してプロレスに打ち込むことができないので。

――そして5月20日、ついに後楽園ホールで旗揚げ戦が行なわれました。

ジュリア:旗揚げ戦は、もちろんスターダムに所属したままだったらできなかった。ゼロの状態から団体を作り上げる作業は、経験したくてもなかなかできません。まだまだ未熟な組織だとは思いますが、すばらしい経験をさせてもらえたと思います。みんなで少しずつレールを敷いていく喜びというか(笑)。

 2019年11月にスターダムに入団してから4年4カ月、気持ち的にはかなり停滞する時期に差しかかっていたと思うんですよ。マンネリってわけじゃないですけど。より強い、新しい刺激を求めていた。団体の立ち上げ参加というのは、小川さんへの恩返しでもありましたが、自分自身の経験値としてものすごく得る物が大きかったなと思います。

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