ジュリアは「女子プロレス界のために」海外へ スターダム退団と新団体の旗揚げに加わった理由 (2ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

――今年3月、スターダムを退団した理由を聞かせていただけますか?

ジュリア:2022年に「STARDOM 5★STAR GP」を優勝し、団体最高峰のベルト"ワールド・オブ・スターダム王座(赤いベルト)"を戴冠しました。そのあたりから会社と話し合いをする機会が増えて、前社長とはいろいろありましたね。

 私はそれまで、「海外の大規模な団体とスターダムを同じくらいの価値まで引き上げたい」という思いで、海外からのオファーを断っていました。その夢の実現のためには、現状を大きく変える必要がある。そして現段階ではそれは不可能に近いと気づき、2023年3月に契約を更新する時には、「これが最後の契約更改だな」と決めてました。

――スターダム退団後は、すぐに海外に行くのかと思いました。

ジュリア:昨年の契約更改の時点で、海外挑戦をすることは決めていたんです。ただ、確定していたのは「スターダムでの活動はひと区切り」ということだけですが。まずはスターダムでの残り1年をどう過ごすか、に集中しなければならなかったので。

 小川さんが新団体を設立する話はずっと噂で聞いていました。それが現実になったのは、私がスターダムとの契約を終了する意思表示をした2023年12月の話。小川さんが新団体を作ることになった経緯は知っていましたから、海外に挑戦する前に「小川さんに恩返ししたい」という気持ちが強くなって。「少しでも力になれれば......」と、海を渡るまでの短い期間ですがマリーゴールドに所属して、団体の旗揚げを手伝うことに決めたんです。

――退団を前に、2023年7月には新日本プロレスのSTRONG女子王座を獲得しましたね。

ジュリア:あれは、自分のなかでは"お土産"かな。白いベルトも赤いベルトも、シンデレラトーナメントも5★STAR GPも獲って、シングルでやるべきことはほぼやり終えた。それで「次、自分にやれることはなんだろう」と。

 そんな時に新日本プロレスでSTRONG女子王座が設立されて、興味が湧いて挑戦したら第2代STRONG女子王者になれた。最後にやれることをやろうと頑張りました。アメリカのリングを数回経験させてもらって歓声の大きさも感じましたし、街を歩いている時にファンに囲まれたり、プロレスを心から楽しんでくれる方々を見て、「やっぱりエンターテイメント大国なんだな」と感じる事ができたのはとても大きかったですね。

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