山中慎介が「頭ひとつ抜けている」と語るバンタム級の日本人王者は? 井上尚弥との対戦が実現したら「極上のカード」 (3ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【バンタム級"ネクストモンスター"の武器】

――かつて、井上尚弥選手が束ねていたバンタム級の4本のベルトを、日本人選手がひとつずつ保持することになりました(※)。山中さんから見た、それぞれの評価はいかがですか?

(※)WBA:井上拓真、WBC:中谷潤人、WBO:武居由樹、IBF:西田凌佑

「このなかでは、中谷が抜けていると思います。もちろん拓真も総合的にレベルは高いし、西田も大森翔平や比嘉大吾といった実力者をしっかり倒すなど確かな力がある。西田はベルトを獲ったばかり(5月4日)ですが、それによって自信も深まり、攻略しにくいチャンピオンになるでしょう。ただ、これまでの勝ち方や戦いぶりを見ると、やはり中谷が頭ひとつ抜けていると思います」

――中谷選手が階級を上げて、ライバル不在の尚弥選手との対戦を望む声も出ています。

「尚弥の対戦相手として考えるなら、最も楽しみな選手です。ただ、こればかりはタイミング次第。どんなに早くても1年後などでしょうけど、それまでにお互いの状況も変わってくるでしょうから。この対決については、なんとも言えないところです」

――"モンスター"と"ネクストモンスター"の対決が実現するなら楽しみですが、一方で"潰し合う"のはもったいないようにも感じます。

「それもちょっとありますけど......それでも、無敗の日本人同士、間違いなく極上のカードではありますね(笑)」

――中谷選手の適正階級はどこだと見ていますか?

「今の感じだと、ひとつ上のスーパーバンタム級じゃないですかね。バンタム級でも減量がちょっとキツそうですから。年齢的にもスーパーバンタム級に上げたタイミングで、最もパフォーマンスが高い中谷が見られるのではないでしょうか」

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