東京女子プロレス 荒井優希【中編】試合後、私がボロボロになりリングを降りようとしたら、アジャさんが近づいてきて「またやろうな」って

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 後野順也●撮影 photo by Ushirono Junya

女子プロレスラー・SKE48荒井優希インタビュー 中編(全3回)

インタビュー前編:プロレスを辞める決断をした人に負けることはできない

 アイドルグループ「SKE48」のメンバーであり、東京女子プロレスのレスラーとしても活動する荒井優希。今年1月4日、マックス・ジ・インペイラーに勝利、第12代インターナショナル・プリンセス(IP)王者に。

 王者として2度の防衛に成功した荒井は、6月9日後楽園ホールで3度目の防衛戦を控えている。過去の戦いを振り返るとともに、印象に残った出来事について聞いた。

得意の「Finally(かかと落とし)」を披露する荒井 photo by Ushirono Junyaこの記事に関連する写真を見る

【2度目の防衛戦は、お互いの顔面を崩し合って戦った"上福ゆき"戦】

――3.31両国国技館での『GRAND PRINCESS '24』は、IP王座の2度目の防衛戦、対戦相手は元IP王者の上福ゆき選手でした。

荒井 対戦相手の上福さんは世界で活躍するレスラーです。私が本格的にプロレスを始める前(2018年10月10日)SKE48レッスン場で私が(松村香織に勝利して)アイアンマンヘビーメタル級王者になり(同年10月28日の後楽園ホールで)そのタイトルを賭けたバトルロイヤルが行なわれました。この試合に上福さんも出場していました。

 その時、上福さんはSKE48の先輩の友だちということもあり、緊張していた私に優しく声をかけてくれました。イメージは「優しいし、カッコイイお姉さん」。だから、その上福さんが挑戦表明するためにリングに登場した時は、「最悪だ......」と思ったんです。

 私がデビューした頃、上福さんがIP王者でした。私のなかで、上福さんはIP王者のイメージが強くて。その上福さんが挑戦表明してきた。光栄ながら、相手が悪いと思いました。それに、上福さんはプロレスが上手く、私が攻めていたつもりでもいつの間にか立場が逆転しているような選手です。

 でも、挑戦表明の際、「ビジュアルを大切にする者同士、お互いの顔面を崩し合って戦いたい」と言われた時、内心「面白い」と思いました。だから私はプロレスラーに向いているのかもしれません(笑)。
顔面を崩し合うと予告された両国国技館での上福戦 ⓒ東京女子プロレスこの記事に関連する写真を見る

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