東京女子プロレス 荒井優希【中編】試合後、私がボロボロになりリングを降りようとしたら、アジャさんが近づいてきて「またやろうな」って (3ページ目)
【いつか達成しないといけない目標のひとつは、伊藤麻希を倒すこと】
――レスラーとして約3年1カ月活動して印象に残っている選手や出来事を教えてください。
荒井 まずデビュー戦の5.4後楽園で、無観客で行なわれた試合です。渡辺未詩さんと組んで伊藤麻希&遠藤有栖組と対戦しました。試合に敗れたあと、伊藤さんに言われた「何年かかってもいいから、伊藤麻希を潰しに来い!」という言葉が印象に残っています。
――伊藤選手もアイドルグループ「LinQ」出身です。
荒井 だから、私のこともわかってくれたと思います。それと同時に、「伊藤麻希を倒す」という目標もくれました。「いつか、達成しないといけない目標のひとつ」として私のなかにインプットされました。でも、伊藤さんに勝つことは容易ではありません。それも「12月までには達成できない」と思ったこともプロレスを続けた理由のひとつです。
2022年3月19日、当時伊藤さんの保持していたIP王座に挑戦しました。あの試合も印象に残っています。まったく歯が立たちませんでした。あの時以来、伊藤さんとは(シングルでは)戦ってないですけど、「いつかは絶対に勝ちたい」っていう気持ちは変わらず持ち続けています。あと、アジャコングさんとの試合も記憶に焼き付いていますね。
――アジャ選手はマックスより怖いですか?
荒井 マックスは完全に別次元の人......、いや、人なのかもわかんない。でもアジャさんは偉大すぎる先輩ですし、言葉が通じるがゆえの怖さもあります。
(2021年10月9日の大田区総合体育館大会で)タッグマッチで初対戦して、一斗缶で殴られました。アドレナリンが出ていたせいか、試合中は痛みを引きずらなかったんですけど、翌週、練習で前転をしたら、たんこぶができていて。気づかないだけで、かなりのダメージが残っていました(笑)。
この試合後、アジャさんは膝の手術をしたんです。復帰するのに半年、私が12月に辞めたらアジャさんと戦えない。それが、プロレスを続けることを決めた最終的な理由ですね。ですから大田区大会の場で、2022年も継続参戦したいと伝えました。
――アジャ選手も荒井さんの継続参戦を知って、「帰ってくる理由が増えました」とコメントしましたね。
荒井 アジャさんとは、有明でシングルマッチを行ないました(2023年3月18日)。自分の得意技「Finally」をいろんな形で出させてもらいました。力及ばず敗れてしまったけど、「Finally」を大事にしていいんだと思えた試合でもありました。
試合後、私がボロボロになり、なんとかリングを降りようとしたら、アジャさんが近づいてきて「またやろうな」って。それがものすごく印象に残っていますね。
>>後編に続く(後編は6月8日公開)
【プロフィール】
荒井 優希(あらい ゆき)
1998年5月7日生まれ、京都府出身。167㎝。女性アイドルグループ・SKE48チームKIIのメンバー。2021年5月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にてプロレスデビュー(渡辺未詩&荒井優希vs伊藤麻希&遠藤有栖)。東京スポーツ新聞社主催「2021年度プロレス大賞」で新人賞を受賞。2022年7月大田区総合体育館大会において第10代プリンセスタッグ王座を戴冠(パートナーは赤井沙希)。2024年1月、後楽園ホールにてインターナショナル・プリンセス王者のマックス・ジ・インペイラーに挑戦。見事勝利し、第12代インターナショナル・プリンセス王座を戴冠(自身初のシングル王座)した。
【大会情報】
『TJPW PRISM '24』
■日時:2024年6月9日(日) 開場10:30 開始11:30
■会場:東京・後楽園ホール
荒井はセミファイナル「インターナショナル・プリンセス選手権試合」でLAテイラーと自身3度目の防衛をかけて対戦
>>詳細はコチラ
【フォトギャラリー】女子プロレス参戦4年目。ベルトも戴冠したSKE48荒井優希
3 / 3