東京女子プロレス 荒井優希【前編】私は「これからも戦い続ける」と決めています。だからプロレスを辞める決断をした人に負けることはできない

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 後野順也●撮影 photo by Ushirono Junya

女子プロレスラー・SKE48荒井優希インタビュー 前編(全3回)

 アイドルグループ「SKE48」のメンバーであり、東京女子プロレスのレスラーとしても活動する荒井優希。2021年5月にデビュー、2022年7月には赤井沙希とのタッグ「令和のAA砲」を結成し第10代プリンセスタッグ王座を獲得した。

レジェンドレスラーのアジャコングとの対決でも怯むことなく真正面から挑み、アジャから「荒井選手がどう変化するか、楽しみにしておきます」とエールを送られる。

現在、荒井は第12代インターナショナル・プリンセス王者として君臨。6月9日後楽園ホールで3度目の防衛戦が控えている。キャリア4年目を迎え、得意技「Finally(かかと落とし)」の円熟味も増した荒井に話を聞いた。

プロレスラーデビュー4年目を迎えた荒井優希 photo by Ushirono Junyaこの記事に関連する写真を見る

【規格外のレスラー"マックス・ジ・インペイラー"に挑戦、王座戴冠!】

――今年1月4日、念願の第12代インターナショナル・プリンセス王座(=IP王座)を戴冠しました。この一戦を振り返っていただけますか?

荒井 第11代IP王者はマックス・ジ・インペイラー。ちょうど1年前の2023年1月4日後楽園、赤井沙希さんとのコンビ「令和のAA砲」で保持していたプリンセスタッグ王座のタイトル戦、挑戦者のマックス・ジ・インペイラー&ハイディ・ハウイツァ組に敗れ、王座から陥落しました。

 今年1月4日、後楽園でのIP王座挑戦の試合前に、タイミングやシチュエーション的に1年前のそのタッグ戦が脳裏をよぎりました。あの時、ベルトを奪われたことで赤井さんとのタッグでの活動機会がグンと減ってしまったんです。

 私は1回負けた相手には勝たないと満足できない性分です。やっと戦えるチャンスが巡ってきました。ただマックスとの対戦が発表された時、「どうやって戦うの?」「荒井じゃ難しい」という声もあって。そういった周りの声は悔しかったです。

――マックスは178cm、109kgで規格外のレスラーです。荒井選手の倍以上の体格でファンも心配したんだと思います。

荒井 そんなに大きかったんですね(笑)。心配や応援してくださるファンの方々の声は本当に嬉しかったです。それでも自分らしく頑張りたいっていう気持ちが強かったので、デビューから使い続けている「Finally(カカト落とし)」を信じて戦おうと誓いました。

――シングルマッチは1vs1の戦い。1.4後楽園、マックスを前に怖さはありましたか?

荒井 マックスに対する恐怖やプレッシャーは普通にありました。でもベルトに挑戦できる人は限られていて、誰でも簡単に挑戦できるわけではありません。挑戦者として選ばれたことも嬉しかったですけど、あれだけ大きなマックスと戦うことへのプレッシャーやさまざまな感情が押し寄せてきて、当日までドキドキしていた記憶があります。

――初夢にマックスが出てきたとか。

荒井 そのくらい追い詰められていました(笑)。

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