検索

東京女子プロレス 荒井優希【前編】私は「これからも戦い続ける」と決めています。だからプロレスを辞める決断をした人に負けることはできない (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 後野順也●撮影 photo by Ushirono Junya

【初防衛戦の相手は4月に卒業した後輩"長野じゅりあ"】

――2月にIP王座の初防衛戦がありました。挑戦者は4月に卒業が決まっていた長野じゅりあさん。

荒井 それまでタッグ王者時代を含め、対戦相手は先輩がほとんど。(プロレスラーとしての)後輩とタイトルマッチを行なうのは初めてでした。

 シングルの防衛戦自体も初、それ以外にもたくさんいろんなことが重なって、挑戦者としてタイトルに挑むより、王者としてタイトルを防衛するほうが「プレッシャーが大きい」と感じました。

――それはどういうところから感じましたか?

荒井 挑戦者としてタイトルに挑む時は「ベルトが欲しい」という気持ちだけでいいですけど、王者として挑戦者を迎える場合は、ただ勝てばいいというわけではありません。「どんな試合でお客さんに納得してもらえるか?」と試合内容も大切になります。自分なりに試合の組み立てを考えていました。

 タッグの時は、赤井沙希さんという心強い先輩が近くにいて、常にサポートしていただきました。でもその赤井さんも昨年11月に引退され、「本当に1人になったんだ」と実感して。

 もちろん東京女子の先輩は優しい方々が多いですけど、試合となると本音で話せる人は限られちゃうので、塞ぎ込んでしまって。王者としてのプレッシャーで自分自身を追い詰めてしまっていました。

 対戦相手のじゅりあさんは4月にプロレス卒業を控えていて、「最後に挑戦したい」と思ってくれたこと、そしてシングルマッチでしっかり戦えることは嬉しかったです。

 ただ、私は「これからも戦い続ける」と決めています。だからプロレスを辞める決断をした人に負けることはできないと、強い気持ちで初防衛戦に臨みました。

>>中編に続く

この記事に関連する写真を見る

【プロフィール】
荒井 優希(あらい ゆき)
1998年5月7日生まれ、京都府出身。167㎝。女性アイドルグループ・SKE48チームKIIのメンバー。2021年5月4日、東京女子プロレス後楽園ホール大会にてプロレスデビュー(渡辺未詩&荒井優希vs伊藤麻希&遠藤有栖)。東京スポーツ新聞社主催「2021年度プロレス大賞」で新人賞を受賞。2022年7月大田区総合体育館大会において第10代プリンセスタッグ王座を戴冠(パートナーは赤井沙希)。2024年1月、後楽園ホールにてインターナショナル・プリンセス王者のマックス・ジ・インペイラーに挑戦。見事勝利し、第12代インターナショナル・プリンセス王座を戴冠(自身初のシングル王座)した。

【大会情報】
『TJPW PRISM '24』
■日時:2024年6月9日(日) 開場10:30 開始11:30
■会場:東京・後楽園ホール
荒井はセミファイナル「インターナショナル・プリンセス選手権試合」でLAテイラーと自身3度目の防衛をかけて対戦
>>詳細はコチラ

【フォトギャラリー】女子プロレス参戦4年目。ベルトも戴冠したSKE48荒井優希

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る