東京女子プロレス 荒井優希【後編】 「世界に羽ばたく優希ちゃんを見たい」というファンの声に応えたい、それが私の原動力

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 後野順也●撮影 photo by Ushirono Junya

女子プロレスラー・SKE48荒井優希インタビュー 後編(全3回)

インタビュー前編:プロレスを辞める決断をした人に負けることはできない
インタビュー中編:アジャさんが「またやろうな」って

 アイドルグループ「SKE48」のメンバーであり、東京女子プロレスのレスラーとしても活動する荒井優希。現在、荒井は第12代インターナショナル・プリンセス王者(IP)として君臨。6月9日後楽園ホールで3度目の防衛戦が控えている。

 2021年5月にデビューした荒井もキャリア4年目、ここまでのプロレス人生を振り返りつつ、6.9後楽園で行なわれるタイトル戦について伺った。

6月9日に3度目の防衛戦を控える荒井 photo by Ushirono Junyaこの記事に関連する写真を見る

【赤井沙希さんから学んだ「見られることへの意識の高さ」】

――伊藤麻希選手、アジャ・コング選手、あと印象に残っている選手となると......。

荒井 赤井沙希さんです。先輩レスラーであり、プリンセスタッグ王座を獲得したタッグパートナーであり、いいお姉さんのような存在でもありました。

――赤井さんとのタッグは「令和のAA砲」と呼ばれていました。一番影響を受けたのはどんなところでしょうか?

荒井 当時の私は目の前の試合をこなすことでいっぱいいっぱいでした。それまではリング上でお客さんから見られていることを考えてなかったし、考える余裕すらなかった。とにかく自分のことだけで精一杯でした。

 そんななか、2022年4月から赤井さんとタッグを組むことになりました。その時、赤井さんから「お客さんに見られているよ」と言われて、入場やリング上での見せ方をたくさん叩き込んでもらいました。

 「プロレスは対戦相手との戦いだけど、お客さんから見られていることも意識しなきゃいけない」と。最初にタッグを組んだ時、2人で入場の練習をしたんです。「見られることへの意識の高さ」を、赤井さんから教わりました。

――荒井さんは先輩の話を聞いて、きちんと次に活かしますね。

荒井 それはSKE48での経験が活きていますね。赤井さんが引退する前の後楽園(2023年10月27日)で(赤井さんと)シングルマッチを行なったことも記憶に残っています。

 パートナーとしてたくさん試合も重ねましたし、リングの外で教わったこともあります。シングルマッチの試合後に「応援してくれる人もたくさんいるんだよ」と赤井さんに言われたことが忘れられなくて。

 ポジティブな私も落ち込む瞬間はあります。ネガティブな言葉に反応してしまう時もある。でも、ひとつの言葉で落ち込むよりも、応援してくださる人の声に耳を傾けなければいけない、って改めて思いました。

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