東京女子プロレス 荒井優希【後編】 「世界に羽ばたく優希ちゃんを見たい」というファンの声に応えたい、それが私の原動力 (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 後野順也●撮影 photo by Ushirono Junya

【プロレスラーとしてデビューし、世界が広がった】

――レスラーとしてデビューし、変わったことはありますか?

荒井 プロレスを始めてから見ている景色というか、世界が変わりました。人としても変わった気がしています。「じゃあ、何が変わったの?」と聞かれると、具体的にすぐに答えることは難しいのですが(苦笑)。

 それまでの自分はSKE48しかなかったから"SKE48がすべて"でした。でもプロレスを始めてから、SKE48では見ることができなかった世界を見ることができて、いろんな人にも出会えました。おかげで、視野が広くなりました。

 たぶん、"アイドルメンバーあるある"だと思うんですけど、以前はSKE48で失敗したら、すべてが終わりだと思い込んでいました。たとえば目標が「1列目で歌いたい」だとすると、1列目に選ばれない時の落ち込みようがひどかったんです。SKE48の活動に人生すべて賭けていましたから。今思うと、周りが見えていなくて危険な状態でしたね。

 でも今は"アイドル"と"レスラー"、私には2つの居場所があるんです。アイドル活動で落ち込むような出来事があっても、気持ちを切り替えてプロレスのことを考えるようにしています。だから、気持ちに余裕ができました。それに大きな夢ができました。

――大きな夢とは何でしょうか?

荒井 プロレスラーになり、動画サイト『WRESTLE UNIVERSE』を通して海外の人たちが私の試合を観戦して、世界中の人たちから応援してもらえるんです。「アメリカに来てくれるのを待っています」とか「世界に羽ばたく優希ちゃんを見たい」と言ってくれるファンの方がいる。私はその声に応えたいですしそれが今の夢であり、原動力になっています。

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