山中慎介が「頭ひとつ抜けている」と語るバンタム級の日本人王者は? 井上尚弥との対戦が実現したら「極上のカード」 (2ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――今後の防衛戦や統一戦に向けて、武居選手はどんなスキルが必要になりますか?

「経験を積むことが一番ですが、あとは細かいパンチを身につけることですかね。それによってパンチのメリハリや強弱をつけて、武居の武器であるワイルドで軌道の読めないパンチを入れていければ、よりよくなるのかなと。ただ、あまり細かいパンチの技術を求めすぎると、武居のボクシングが変わってしまう可能性もある。その調整については、八重樫くん(=八重樫東トレーナー)と決めていってほしいです」

――最終12ラウンドはペースが落ちて被弾も多くなりました。あのピンチの場面はいかがでしたか?

「ラウンドの途中でいきなりスタミナ切れを起こしたというか、突然ガクッとペースダウンしましたね。あと1、2発もらっていたらレフェリーが止めていたかもしれません。本当にギリギリのタイミングでした。あれほどピンチになった経験はこれまでなかったでしょう。そんな場面の対応、ロープ際での対応なども今後の課題です」

――各ラウンドのポイントはどう見ていましたか?

「後半はマロニーが強引に出てきて、ポイントを取られたラウンドもいくつかあったとは思いますが、11ラウンドまでは試合運びに問題はなかったです。武居は左ボディーで効果的にダメージを与え、ポイントも取れていたと思います。序盤には、減点も取られましたが」

――2ラウンドにローブローを取られましたね。

「減点を取られるほどではない感じに見えましたけどね。そもそも、マロニーのベルトラインが太くて、ハイウエスト気味だった。あれだと、ボディーで打つ場所がないですよ(笑)。ただ、武居はその減点も気にせず、そのあともしっかりとボディーを打ったのがよかった。左ボディーが出なくなると、マロニーはもっと前に出てきたでしょうから」

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