「井上尚弥を年間最優秀選手に選ばなかったらバカに見える」とフルトンも進言 BWAA会長が明かす選出の裏側 (3ページ目)
井上の年間最優秀選手賞の受賞が決まった後、私は彼に直接電話をしてそれを伝えました。その電話をセットアップしてくれた大橋ジムに感謝していますし、5、6分の会話の中で井上からの敬意も感じました。
私が「仲がいいフルトンを打ちのめしてくれたね」とジョークを飛ばすと、井上は笑っていました。また、フルトンが「もし、井上を年間最優秀選手賞に選ばなかったら、BWAAはバカみたいに見えるよ」と言っていたこと、この賞は極めて長い歴史がある名誉なものであること、今後も再び同賞を受賞するチャンスがあるだろうことも伝えました。大理石で作られた「シュガー・レイ・ロビンソン賞」の記念盾の写真を送付し、それも喜んでもらえましたよ。
BWAAは毎年6月、ニューヨークで年間賞の受賞セレモニーと記念ディナーを主催します。例年、その時期にマンハッタンで大興行が開催されるのが通常で、その週に全米からボクシング記者たちが集まってきます。今年度の日程は未定ですが、井上は「出席できるように検討します」と言ってくれました。
授賞式の際、井上にも壇上でスピーチをしてもらいたいですが、通訳を用意するつもりなので、英語のスピーチにプレッシャーを感じる必要はありません。井上がそのタイミングで渡米し、セレモニーに出席してくれたらすばらしいことですし、全米の関係者や記者たちも名誉に感じてくれるに違いありません。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
【写真】井上尚弥を「年間最優秀選手」に推したフルトンとの激闘 フォトギャラリー
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