朝倉未来戦も現実味の平本蓮が狙った「確実な勝利」 YA-MANは善戦も、大沢ケンジは「MMAは時間がかかる」 (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【「MMAは時間がかかる」】

――大沢さんは「Breaking Down」でジャッジを務めていますが、そこで戦う冨澤大智選手とKrushフェザー級王者の篠塚辰樹選手が、オープンフィンガーグローブのキックルールで対戦しました。

「篠塚選手がきっちり力の差を見せつけての判定勝ちでしたね」

――篠塚選手は、アマチュアボクシング上がりで元A級ボクサー。距離感やパンチのテクニックが秀でているように思います。

「うまいですよね。冨澤選手の攻撃は、3ラウンドに少し当たり始めましたが、そこまでは完全に見切られていました。

 冨澤選手はBreaking Down の1分間の闘いに慣れていて、そこでの勝ちパターンは知っています。Breaking Downは相手がガンガン前に出てきてくれますから、テンカオ(膝蹴り)が入りやすい。朝倉海選手がフアン・アーチュレッタ選手に決めたのもそうです。でも、篠塚選手にとってはそこも想定内でしたね」

――今大会では、安保瑠輝也選手、芦澤竜誠選手、皇治選手と、元K-1選手のMMAデビューも話題となりました。

「皇治選手は、格闘技のキャリアが浅い三浦孝太選手にTKO勝ちしましたが、安保選手と芦澤選手は完敗。やっぱり、すぐにうまくはいかないですよ。『MMAは時間がかかるよな』と思いましたけど、だからこそ面白いんですよね」

【修斗2階級王者 愛弟子・新井丈選手】

――大沢さんのジム、和術慧舟會HEARTS所属で史上初の修斗2階級王者・新井丈選手もRIZINデビュー。結果は、2ラウンドKO負けとほろ苦いデビューとなりました。

「大会後にさいたまスーパーアリーナから自宅まで車で送ったんですけど、めっちゃ落ち込んでました。彼は9連敗もあってから11連勝と、2年くらいかけて期待値や評価をどんどん上げていった。そして今回の大舞台に臨んだわけですが......丈も言っていましたけど、『積み上げてきたものを全部持っていかれた』なという感じですかね」

――下馬評では新井選手が有利でした。ただ、ヒロヤ選手はRIZINで2連敗中だったとはいえ、その2戦(伊藤裕樹、中村優作)はともにスプリット判定での惜敗でした。

「正直なところ、本当に難しい試合だと思っていました。でも、ここまで連勝してきた流れや強さ、"新井丈"という人間力で今回も行けると思ったんですが、そうはいかなかったですね」

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