「このままだとプロレスファンは減ってしまう」プロレスリング・ノア拳王が明かすYouTubeで発信を続ける理由 (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 写真提供/プロレスリング・ノア

――今後、拳王チャンネルをこのように進めたい、といったプランはありますか?

拳王:さっきは、プロレスが世間に広がるようにやるとも言ったけど、それだけを追求するのもよくないと思っている。その場その場で「おもしろそう!」とひらめいたことを臨機応変に対応することも大事。そのひとつで、俺が原宿・竹下通りで気づかれるのかどうかを検証した動画は面白い企画のひとつだったと思うね。

――最初は気づかれず、最後は試合用のコスチュームまでまとう姿にプロ意識を感じました(笑)。今年の2.21東京ドーム大会前には、全日本プロレスの50周年記念くじを、タッグマッチの対戦相手が出るまで引き続けるという動画も。あれはどういった考えで撮ったんですか?

拳王:プロレスファン以外、 特に小さい子が見ても面白いと思える動画はどんなものか、を考えての企画だよね。くじが当たるのか外れるのか、に焦点を当てる内容ならわかりやすいだろうし。

――先日の徳島で開催された、拳王選手のデビュー15周年興行では、拳王チャンネルで発表された合言葉を言うと学生の入場が無料に。それも、プロレスを気軽に観に来てほしい、プロレスを身近に感じてほしいという拳王選手の思いを感じました。

拳王:このままだと、プロレスファンは減っていってしまう。その危機感から、記念大会でプロレスを観るハードルを下げたんだ。俺が子供の頃にプロレスを見て、新崎人生さん(みちのくプロレス)に憧れたように、今の子供たちにもプロレスを好きになってもらいたいからな。

――あらためて、今後の目標を教えてください。

拳王:YouTuberとして稼ぎたい、とは思ってない。面白いことを発信して、それがきっかけでプロレスに興味をもってくれればいい。だからクソヤローども、これからも拳王チャンネルをよろしくな!

【プロフィール】
拳王(けんおう)

1985年1月1日生まれ、徳島県出身。174cm。95kg。プロレスリング・ノア所属。3歳の頃より日本拳法を習い始め、2005年、明治大学在学中に日本拳法フランス世界大会で優勝。大学卒業後、同郷の新崎人生が所属する「みちのくプロレス」の門を叩き、2008年3月2日デビュー。2014年10月にGHCジュニアタッグ王座を獲得すると、翌年3月にプロレスリング・ノアに移籍。GHCヘビー級王座、GHCナショナル王座、GHCタッグ王座など主要タイトルを獲得した。2019年5月に反体制ユニット「金剛」を結成。2023年3月に征矢学と組み、全日本プロレスの世界タッグ王座、2023年4月には近藤修司をパートナーにDRAGON GATEのオープン・ザ・ツインゲート王座をそれぞれ獲得した。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る