「このままだとプロレスファンは減ってしまう」プロレスリング・ノア拳王が明かすYouTubeで発信を続ける理由 (2ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 写真提供/プロレスリング・ノア

――試合後の生配信はファンにとっては嬉しい反面、体のケアを優先してほしいと心配になるのではないかと思います。

拳王:俺は、常に「自分がファンだったら、どんなことをされたら嬉しいか?」を考えている。試合後の生配信は、確かに体的にはつらい。だけどクソヤローどもが喜んでくれるなら、これからも発信していくからな。

――これまで200本を超える動画をあげていますが、ご自身で印象に残っている動画はありますか?

拳王:昨年7月16日のGHCヘビー級王者・小島聡戦の前に配信した「口喧嘩抗争動画」や、今年1月21日の内藤哲也戦に向けての「内藤哲也 丸裸年表」の動画は反響が大きかったな。多くのプロレスファンに対して、試合に向けて期待感を高めることができたんじゃないかな。

――拳王選手自ら対戦相手について調べて発信してくれることは、ファンにとって新たな楽しみになっているでしょうね。

拳王:対戦相手を研究することで、俺自身も対策も練りやすくなる。それに、他団体のプロレスファンやプロレスを観ない人の中にも、「動画が気になったから、この大会を見てみよう」っていう人がいたと思うぞ。

 1月21日の『WRESTLE KINGDOM 17 in 横浜アリーナ』大会はペイ・パー・ビュー(PPV/1本の視聴ごとに課金されるビデオサービス)もあったけど、「拳王チャンネルを見て興味を持った。会場には行けないけどPPVを購入して観戦する」という声もあったのは嬉しかったぞ。

――全日本プロレスとの絡みもあり、5.7大田区大会では、タッグマッチの対戦相手だった諏訪魔選手とSAITO BROTHERSにリング上でマーダーバックに入れられ、連行されてしまいました。しかしタダでは起きず、翌朝にはそれをネタに生配信を行ない、猛烈に抗議していましたね。

拳王:スタッフに連絡して、早朝に来てもらって撮った。「どうしてあんな生配信をやったのか?」と聞かれると困るけど、あくまで直感だな。「YouTubeを見ている人に楽しんでもらえるかどうか」を常に考えていて、あの時は「このタイミングだ」と思っただけだ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る