Sareeeが振り返る激動のプロレス人生 「警察を呼ばなくちゃ!」デビュー戦直前のアジャコングの乱闘でパニックになった (3ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

【「Sareee時代」の到来】

――2018、2019年はSareee選手にとって密度の濃い2年間でした。2018年7月、井上京子選手に勝利してW.W.W.D世界シングル王座を獲得。初防衛戦の相手にアジャコング選手を指名しましたが、その理由は?

Sareee:「井上京子さんに勝利したなら、アジャコングさんにも勝っとかなきゃ!」と思ったんです。そうじゃないと、トップレスラーとして認めてもらえないと。でも、砕け散りました(笑)。

 試合後すぐに再戦を希望したら「ノールールマッチなら挑戦を受ける」と言われて。デスマッチとは何なのかも理解しないまま承諾して、2019年2月新木場で再戦。そうしたら、アジャさんの凶器攻撃で血だらけに......。息ができないぐらいの流血で、顔が真っ赤に染まりました。その再戦も負けましたが、試合後に血だらけのまま「もう1回やらせろ」と要求したんです。

――その後、アジャ選手への挑戦権を賭けたW.W.W.D世界シングル選手権次期挑戦者決定リーグ戦が行なわれ、見事に挑戦者として勝ち上がり、2019年5月の後楽園ホールでアジャコング選手に勝ちました。

Sareee:本当に執念ですね(笑)。アジャさんと戦う約1カ月前に、デビュー戦の相手である里村選手にシングルで勝ったのも大きな自信になりました。その時期、私はノリに乗っていて、アジャさんにも勝って「誰にでも勝てるぞ!」と怖いものがなかったんです。その勢いで、同年6月にセンダイガールズプロレスリング(以下、仙女)の王者・橋本千紘選手と、お互いのタイトルを賭けて戦い勝利して「2冠女王」になりました。

――所属団体以外のシングルベルトを獲得したとなると、責任も2倍ですね。

Sareee:W.W.W.D世界シングルチャンピオンとしてディアナの看板を背負いながら、仙女のベルトを巻いている間は「自分が仙女のトップであり、仙女の看板を背負っている」という意識ですべての試合に臨みました。ひとりでも多くのお客さんを呼ぶことは、チャンピオンの使命なので。

――2019年のSareee選手は水を得た魚のように活躍しましたね。

Sareee:その年は、東スポ大賞は取れなかったけど、ファン投票で選ばれる『週刊プロレス』の「プロレスグランプリ2019」の女子プロレスグランプリを受賞しました。めちゃくちゃ充実していましたね。

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