Sareeeが振り返る激動のプロレス人生 「警察を呼ばなくちゃ!」デビュー戦直前のアジャコングの乱闘でパニックになった (2ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

【骨折中のプロテストを経て"横綱"とのデビュー戦へ】

――中学3年の2月、前日に大ケガをしたのにプロテストを受けたという伝説がありますが、本当ですか?

Sareee:プロテストの前日に、リングから変な落ち方しちゃって腰を強打して。診断の結果は「第二腰椎横突亀裂骨折」でした。でも、小さい時から『週刊プロレス』を読んでいて、「プロレスの世界はそんな甘くない。多少の痛みやケガをしてもやらなければいけない」と学んでいたので、そのままプロテストを受けました。

 さすがに受け身はできないので、事情を知った京子さんから「スクワット1000回やったら合格」と。先輩にさらしを巻いてもらい、痛み止めを飲んでクリアしました(苦笑)。

――デビュー前から根性がプロレスラーですね。そして2011年4月17日にデビュー戦を行ないますが、対戦相手は"女子プロレス界の横綱"里村明衣子選手。決まった時の気持ちはいかがでしたか?

Sareee:里村選手のことは、プロレスファンとして見ていたけど会ったことはなくて、「強くて怖いイメージ」があって緊張しました。

 試合前にディアナの道場で記者会見が開かれたんですが、私の順番の前に、アジャコング選手と、その対戦相手であるディアナの先輩が乱闘になったんです。先輩が生意気な発言をしたらアジャさんがキレて、その先輩にイスを投げつけて髪の毛のつかみ合いになりました。その瞬間、「自分も先輩もアジャさんに殺される。警察を呼ばなくちゃ!」とパニックになって涙が止まらなくなっちゃって。その後の会見でも声が出なかったです(笑)。

――プロレス界の"洗礼"ですね。デビュー戦に関しては、緊張のあまり「気がついたら試合が終わっていた」というレスラーも多いですが、Sareee選手はいかがですか?

Sareee:ハッキリ覚えています。試合中、里村選手に太ももを蹴られて立てなくなってしまって。「あ、もうダメだ」と緊張の糸が切れた瞬間、里村選手に「試合中に目をそらすな」と言われて。それで「あ、そうだ」と我に返り試合を続けました。次の日から1週間くらいは、歩くのさえ困難でしたね。

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