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井上尚弥が4団体統一を成し遂げる確率は「99%」。米ベテラン記者が語った「最高級な能力」と4階級制覇の可能性 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

【1階級上の王者にも「井上が勝ち抜く」】

 たとえこの試合がワンサイドの内容で終わったとしても、過去に誰も成し遂げていないバンタム級の4団体統一という偉業の価値を否定するつもりはありません。バンタム級では2団体王者はいましたが、3団体統一王者すら生まれたことがなかったのですから。

 井岡一翔(志成)がすでに4階級制覇を成し遂げましたが、井上も遠からずそれに続くでしょうし、それに加えてここでバンタム級の完全統一を成し遂げることは彼のキャリアのなかで大きな意味があります。特に井上は、それを成し遂げる過程ですべての対立王者に勝ってきているのだから、特別な価値があると思っています。

 バトラーに勝ったら、井上はスーパーバンタム級で4階級制覇を目指すのでしょう。できればWBC、WBO世界スーパーバンタム級統一王者スティーブン・フルトン(アメリカ)に挑戦してほしいものです。WBAスーパー・IBF同級統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)よりも、無敗のアメリカ人王者であるフルトンとの対戦のほうが楽しみです。

 井上には空位の王座を決定戦で得るのではなく、チャンピオンに挑んでほしいですし、本人もそれを希望しているはずです。フルトンにはフェザー級転向の話もありますが、どうにか井上とのビッグファイトだけは実現させてもらいたいですね。

 相手がアフマダリエフ、フルトンであろうと、私は井上の勝利を予想します。特にフルトン戦は井上のキャリアで最も厳しい試合になるでしょうし、接戦になるかもしれませんが、それでも最後は井上が勝ち抜く術を見つけるでしょう。私は井上のことをそれだけ高く評価しており、周辺階級にもモンスター(井上)に勝つことを予想できる選手は今のところ見当たりません。

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