井上尚弥が4団体統一を成し遂げる確率は「99%」。米ベテラン記者が語った「最高級な能力」と4階級制覇の可能性

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

【井上にはまったく弱点が見当たらない】

 ここで予測を巡らせておくなら、序盤からワンサイドの展開となり、井上のKO勝ちで決着がつくと私は見ています。バトラーのタフネスは過小評価されており、そう簡単に倒されてしまうことはないかもしれない。だからラウンドを重ねることになっても不思議ではありません。しかし、先ほども話したとおり井上は世界最高級のボクサーであり、同時に最高級のフィニッシャーでもあります。6ラウンドに井上が鮮やかなKO劇を完遂し、日本のファンを歓喜させると予想しておきます。

 この試合にバトラーが勝つようなことがあったら、WBO・WBC女子世界スーパーウェルター級統一王者ナターシャ・ジョナス(イギリス)のトレーナーでもあるギャラガーの今年度の最優秀トレーナー受賞は確定。バトラーも殿堂入り確定でしょう。それくらい差があるカードです。

 正直なところ、井上が負けるシナリオは想像できないですが......99%の確率で勝つと言っておきます。ボクシングの歴史ではクレイジーな番狂わせが起こるもので、もちろん何が起こるかはわかりません。バトラーが勝ったら、かつての衝撃的なマイク・タイソン(アメリカ)vsジェームズ・"バスター"・ダグラス(アメリカ)戦ほどではないにしても、日本人選手が絡んだ試合としては最大の番狂わせとして記憶されるはずです。

 私がそこまで言いきるのは、井上に弱点らしきものがまったく見当たらないからです。

 井上のほぼ唯一の苦戦は、2019年11月に行なわれたノニト・ドネア(フィリピン)との第1戦ですが、同じような展開に持ち込むためには井上の強烈なパンチを耐えなければいけません。井上は軽量級では最大級のパンチャーであり、同時に、思いどおりのスタートがきれなかったとしてもすぐに適応する"リングIQ"も備えています。

 スピード、パワー、技術だけでなく、聡明さまで最高級なのですから、本当に危険なボクサーです。バトラーは基本がしっかりとした好選手ではありますが、少々単調すぎるところがあり、井上に脅威を感じさせられるとは思いません。

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