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矢地祐介、RIZINで再び輝くために。「理想は青木(真也)さん。総合格闘技に『きれいに闘う』とかまったく必要ない」 (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

外国人選手を相手に見えた課題

――練習環境を変えて、川名"TENCHO"雄生選手、武田光司選手に連勝と結果を出したあとに2連敗。外国人選手が相手となると勝手が違いますか?

「それがまさに俺の課題です。日本人選手は合わせてくれる選手が多いんですけど、外国人選手はもともとリズム感も違うし、"パワープレー"で全部のやり取りを無視してくる選手がすごく多い。直近の2戦は、改善しようとしていた自分の悪いところが出てしまって......。

 サトシ戦は、よくない言い方かもしれないけど『しょうがない』というか、練習の成果的にも時期尚早だったかもしれない。でも、2回目のグスタボ戦は本当に自信を持って臨んだんですよ(1回目の試合は2018年8月12日。結果は2ラウンドKO負け)。そこで結果が出なかったのは、やはり相手に合わせてしまうところが露骨に出てしまったから。そこが、外国人選手相手にうまくいってない原因だと思いますね」

――グスタボ戦後、矢地選手が控室に座り込んで「すげ~虚無感」と落ち込んでいる様子が印象的でした。そこから気持ちを切り替えるまで時間はかかりましたか?

「ホントに自信があったし、サトシ戦が決まる前からずっと『グスタボとやりたい』と言っていた。ビザなどの関係で今年の4月まで試合が延びて、そこで絶対リベンジできると思ってたのに、1回目と同じやられ方(パンチでのKO)をしたので本当に落ち込みました。

でも、自分の悪さをあらためて知れたというか、外国人選手の特徴、やり取りを無視して自分を押しつける部分がやっぱり足りないんだと痛感して。打撃、寝技とかそれぞれは仕上がっていても、その"間"のところがもっと大事だったんだと。逆に『そこをやるだけだ』と切り替えました」

――シチュエーションごとの練習はできているから、「そこにどう持っていくか」ということですか?

「そうです。『アプローチ』って言い方になるんですかね。打撃から組みに行くアプローチとか、プレッシャーのかけ方とか、そういう部分が全然足りていなかった。練習を一緒にやってる青木さんはわかりやすいですよね。自分の得意な領域、メーターが突き抜けてる寝技、グラップリングに引き込むために、試合開始と同時にバーッと前に出て組みにいく。打撃もうまいんで、最近は蹴ったりして展開を作っていますけど、ちょっと前までは始まった瞬間に両手を広げて組みついてフィニッシュしちゃってた。

 でも、あれが試合であるべき姿じゃないかと。『きれいに闘う』とか、『相手の攻撃を誘って』といったことはまったく必要ない。総合格闘技では、相手のいいところを出させないで勝ち切るのが1番の理想。そういう部分が自分には足りていなかったと思いますね」

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