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UFCも視野に入れる2冠女王・伊澤星花の覚悟。「お客さんを楽しませないと、プロの格闘家でいる意味がない」 (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

――結果はその通りになりましたが、勝利後にはリング上で号泣していましたね。

「最後の3ラウンド目に妥協しちゃって......下になる場面が長くなったのがすごく悔しくて泣いてしまいました」

――浜崎選手が腕十字を狙って、伊澤選手が下になっていた場面ですね。

「そうです。下になった時に、本当はすぐに動いて抜け出さないといけないのに、ちょっと休んでしまって下になる時間が長くなってしまった。(2ラウンドまで優勢で)『このままでも判定で勝てる』という考えがよぎってしまいました。

 言い訳にはしたくないのですが、実は試合の1週間くらい前にカンピロバクターという胃腸炎みたいな症状が出て動けなくなってしまって。症状が回復してからの走り込みでも足に力が入らなくて、『うわ、これはヤバイな』とメンタル面でも不安が出てしまった。しっかり追い込めなかった分、普段だったら問題ない3ラウンド目に疲れが出たことが妥協につながったんだと思います」

UFCでも自分の階級を作れるくらい強くなりたい

――それでもRIZINのベルトを獲得し、ひとつの夢が叶ったと思います。新たな夢はありますか?

「1番になること、チャンピオンになることが目標だったんですが、なってみるとそんなに実感がないです。周囲に認められている感じもそこまでないので、まずはチャンピオンとして実績を上積みしていきたいです。競技は違いますけど、ボクシングの井上尚弥選手のような選手になりたいですね」

――将来的にはUFCなど、「世界で戦う」という考えはありますか?

「意識はあります。ただ、日本の総合格闘技の中心はRIZINだと思いますから、そこで名実ともに上に行ってからですね。私はプロでまだ6戦、RIZINでは浜崎選手としか戦っていませんし。そこで応援してくれる人をさらに増やしてから世界に目を向けたいです」

――DEEP JEWELSはストロー級(-52.2kg)、RIZINはスーパーアトム級(-49.0kg)ですが、どちらの階級が合っていると感じていますか?

「今のところは、スーパーアトムです。DEEP JEWELSでも、もうひとつ下のアトム級(-47.6kg)のほうが合っていて、ストロー級だとほぼ減量がない状態。まだ体が小さいということかもしれません。これからRIZINで戦っていく中で体を強化しながら、階級をどうしていくのかを考えていこうと思います」

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